網膜・ぶどう膜・結膜の病気

飛蚊症

飛蚊症

実際にはない小さなゴミや虫のようなものが浮かんでいるように見える状態です。形、大きさ、数はさまざまで、目を動かすと浮き上がってゆっくり沈んでいく、視線と一緒に動くこともあります。
ほとんどの場合は生理的飛蚊症であり特に問題ありませんが、失明につながる深刻な眼科疾患の初期症状として生じることもあり、それを病的飛蚊症とされます。
病的飛蚊症の原因疾患には、網膜裂孔、網膜剥離、高血圧・糖尿病・外傷などによる硝子体出血、感染や免疫異常などによるぶどう膜炎などがあります。見えるゴミのようなものの数が急激に増えた、大きいものが浮いている場合にはできるだけ早く眼科を受診するようお勧めします。また、視界のかすみ、ゆがんで見える、視野か狭くなった、光がない場所で閃光のような光が見えるといった症状が伴う場合にも早急な受診が必要です。

ぶどう膜炎

ぶどう膜は、虹彩、毛様体、脈絡膜とその周辺の組織の総称です。虹彩は目に入る光の量を調節し、毛様体はピント調節や眼球の内圧を一定に保つ房水をつくり、脈絡膜は血管や色素に富んでいて栄養や酸素を届け、網膜を裏打ちして瞳孔以外からの光を遮断する役割を持っています。
ぶどう膜炎はぶどう膜に炎症を起こしている状態で、感染や免疫異常など原因がわかるケースもありますが、原因がよくわからない場合や、難病指定された疾患が原因になっている場合もあります。また、正確な診断が何年も経過してからはじめてされる場合もあります。経過や症状の内容だけでなく、病歴や気付いたことなどを詳しく医師に伝えることが重要です。
主な症状は、目の充血、目の痛み、まぶしさを強く感じる、涙目、視力低下、視界のかすみ、ものがゆがんで見える・小さく見えるなどです。
炎症を抑え、視力障害につながる合併症を最小限に抑えながら、原因をじっくり調べていきます。ぶどう膜は目にとって重要な機能を果たしている部分ですから、できるだけ短期間に炎症を抑えて良好な状態をキープすることが重要です。適切なコントロールが不可欠なステロイド薬や免疫抑制薬などによる治療が必要になることも多いため、医師の指示をしっかり守って地道に治療を続けましょう。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症

糖尿病は高血糖が続くことで全身の血管に大きな負担をかけ続けるため、さまざまな合併症を起こします。糖尿病網膜症は、糖尿病腎症や糖尿病神経障害と共に糖尿病三大合併症と呼ばれています。
網膜は毛細血管に富んだ組織で、高血糖のダメージを受けやすい傾向があります。高血糖による毛細血管のダメージが蓄積すると、血管の狭窄や閉塞による血流悪化、血液や成分の漏出などを起こします。血流が不足すると酸素や栄養を補おうともろくて弱い新生血管ができ、出血や血液成分の漏出を繰り返してしまいます。硝子体出血、増殖膜の形成、網膜剥離などを起こす可能性が高くなり、失明してしまうこともあります。
さらに、糖尿病網膜症が初期の段階でも、網膜の中心にあって文字など細かい部分を認識するために使われる黄斑部分に出血や浮腫が起きる糖尿病黄斑浮腫では、深刻な視力障害が起こります。
日本人の中途失明原因の第一位は緑内障ですが、第二位は糖尿病です。糖尿病と診断されたら血糖のコントロールをしっかり行い、症状がなくても定期的に眼科を受診して検査を受けることが重要です。

網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症

網膜に張り巡らされた静脈が詰まって血液や成分が漏れ、網膜や黄斑のむくみを起こして視力障害が生じます。詰まった部分、出血量、むくみを起こした場所などによって視力障害の内容や程度は変わります。
高血圧、動脈硬化、慢性腎臓病などによって起こることが多く、日本人の場合、発症リスクが高まる40歳以上の発症確率は50人に1人とされています。
視力低下、ものがゆがんで見える、視野の一部が欠ける、視界がかすむといった症状が急激に起こった場合には、進行する可能性が高いためできるだけ早く眼科専門医を受診してください。
早期であれば血流を改善させる治療で効果が見込める場合もありますが、網膜や黄斑に浮腫が生じている場合には抗VEGF薬治療とレーザー光凝固術、硝子体手術などによる治療が必要になります。

中心性漿液性脈絡網膜症

文字を読むなど細かい部分を見るために使われる黄斑部分に水がたまり、視力低下、視野中心が暗く見える、ものがゆがんで見える・小さく見えるといった症状を起こします。自然に治ることも多いのですが、繰り返し発症すると視力への影響が残ってしまうことがあります。両目に起こることもありますが、多くは片目に生じます。30~50代の男性に多く、原因がわからないケースがほとんどを占めます。

網膜裂孔

網膜裂孔

眼球の奥である眼底内壁を覆う網膜に裂け目や穴ができてしまった状態です。加齢による硝子体の変性、強度の近視、外部からに衝撃などによって生じます。裂孔が生じても自覚症状が乏しい場合がありますが、放置していると裂け目から液化した硝子体が裏側に入り込んで網膜がはがれる網膜剥離を起こす可能性が高い状態です。
網膜剥離は深刻な視力低下や視野欠損、失明に至ることもありますので、網膜裂孔の段階でレーザー光凝固術(網膜光凝固術)などの適切な治療を受けることが重要です。
急激に飛蚊症の症状が強くなった、存在しない閃光が見えることがあるといった症状がある場合、網膜裂孔が疑われますので、速やかに眼科専門医を受診してください。

網膜剥離

網膜組織が眼底からはがれてしまっている状態です。はがれた網膜部分には血流がなくなるため、栄養や酸素が不足して死滅してしまいます。死滅した組織を回復させることはできないため、その部分の視野が欠損してしまいます。進行すると失明に至る可能性が高くなってしまいます。
網膜裂孔から生じることも多いのですが、外傷、糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・ぶどう膜炎・アトピー性皮膚炎に合併して生じるケースもあります。網膜剥離は適切な手術を早急に受けることができれば網膜を戻せる可能性があります。飛蚊症で見えるものの数が急激に増えた、存在しない閃光が見える、視野の欠損、視力低下、ものがゆがんで見えるといった症状があったらすぐに眼科専門医を受診してください。

網膜色素変性

網膜に異常な色素沈着を生じる疾患の総称で、遺伝によって発症します。網膜には光を感知する視細胞が敷き詰められていて、網膜色素変性では視細胞の老化が早く起こって機能しなくなり、その部分が光を感じられなくなります。暗い場所でものが見えにくくなる夜盲症が主な症状であり、周辺から中心に向かって視野狭窄が進行します。比較的進行が遅く、発症が遅ければ生涯視力を保てる場合もあります。ただし、幼少期に発症した場合には、中年期に失明する可能性があります。

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性症

黄斑は網膜の中心にあり、文字を読むなど細かい部分を判別するために使われています。加齢黄斑変性症は、黄斑にダメージが及んで、深刻な視力障害を生じさせ、失明に至ることもある疾患です。日本では脈絡膜に発生したもろい新生血管から血液や成分の漏出によって起こっているケースが多いと考えられています。高齢者の発症が多く、喫煙習慣も明らかなリスクになります。
黄斑の障害が進行すると光やぼんやりした輪郭はわかっても、文字が読めなくなるなど生活に大きな支障を生じます。新生血管によるものの場合には、抗VEGF薬硝子体注射による治療で効果が期待できます。視力低下、ものがゆがんで見える、視野中心が暗いなどの症状に気付いたら早めにご相談ください。

結膜炎

結膜はまぶたの裏と白目の部分を覆っている薄い膜です。結膜は傷や細菌感染から眼球を保護する粘液や涙を分泌しています。小さなゴミやホコリなどの異物、アレルギー、細菌やウイルスなどの病原体、睡眠不足や免疫力低下などによって結膜に炎症を生じている状態が結膜炎です。
放置しても数日で解消することもありますが、悪化して深刻な視力低下につながる場合もあります。原因をしっかり見極めて、タイプごとに適切な治療を受けてしっかり治すことが重要です。特に細菌やウイルスに感染して生じる感染性結膜炎は、激しいかゆみを起こすもの、強力な感染力があるものなどがあり、他人にうつさないための感染対策も重要です。子どもは医師の許可がないと登園・登校ができませんので、必ず受診してください。なお、途中で治療を中断してしまうと黒目に小さな白濁を起こし、視力低下が残るケースがありますので、しっかり治療を続けることが重要です。
白目やまぶたの充血、かゆみ、異物感などの症状に気付いたら、できるだけ早く眼科専門医を受診するようお勧めします。

結膜弛緩症

結膜は、眼球が上下左右へスムーズに動けるように、少しゆるみがあります。結膜弛緩症は結膜のゆるみが必要以上に進んで異物感などを起こしている状態です。涙をためるスペースが不足してドライアイになったり、涙の排出口を塞いで涙目になったりすることもあります。また、ドライアイによって結膜のゆるみが進んで結膜弛緩症になるケースもあります。
状態に適した点眼薬で改善できる場合もありますが、状態により手術を検討する場合もあります。特にドライアイを合併して両方の症状が悪化していく場合には手術が必要になります。

翼状片

結膜が黒目の部分まで伸びてきてしまう疾患です。三角形に入り込んでしまう形状から翼状片という名前がついています。発症は高齢者に多く、原因には紫外線の関与が指摘されていますがはっきりとした原因はわかっていません。黒目を覆う面積が広くなると視力に影響を及ぼすこともあります。
本来は血管のない黒目部分を血管に富んだ結膜が覆うことで、黒目が赤っぽく感じられることがあります。
異物感や違和感は点眼薬で緩和できます。良性の組織ですが、視力に影響がある、違和感が強い、整容的に気になる場合には、手術を行います。

結膜下出血

結膜下にある血管が破れて出血が起きている状態です。充血と違い、白目部分が真っ赤になります。小さな点程度の場合もありますが、白目全体を覆うほど大きくなることもあります。眼球内に血液が入ることがないため視力低下や視野狭窄につながることはありません。
ほとんどの場合には無症状ですが、まれに異物感を覚えることがあります。
原因は、外傷、炎症、結膜弛緩、さまざまな全身疾患や腎透析や抗凝固療法などによって生じることもあります。また、くしゃみなどで静脈が急激にうっ滞して起こることもあります。
放置していても10日程度で血液が自然に吸収されることが多いのですが、外傷によるもの、痛みなど他の症状を伴うもの、何度も結膜下出血を繰り返すといった場合には眼科専門医を受診してください。なお、出血量が多い場合、吸収されるまでに時間がかかることがあります。

藤原眼科

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