いぼ・粉瘤・皮膚腫瘍

いぼとは

いぼとは

医学的にいぼは疣贅(ゆうぜい)と呼ばれています。
いぼはおもに、ウイルスの感染によるいぼ(ウイルス性疣贅)と、加齢によるいぼ(老人性疣贅・脂漏性角化症)があります。ウイルス性いぼは、人から人へ感染する恐れがあるため、早期治療が肝心です。加齢によるいぼは、60歳以上の約80%に見られ、感染リスクはありません。しかし、人によってはいぼができやすい人もいるため、一度取り除いても再発するケースはあります。

いぼの種類

種類 原因
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい) 顔や手の甲、頬にできることが多い、2mm~3mm程度のいぼです。皮膚の盛り上がりはなく、薄い褐色が特徴です。ウイルス性のいぼで、小さな傷から感染することが多く、放置するといぼが増えてしまいます。しかし、自然と治ってしまうケースもあります。
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい) 最も多く見られるいぼで、手足に硬く盛り上がるのが特徴です。足の裏にも現れやすいので、タコ・魚の目と勘違いされる方もいます。
ウイルス性いぼで傷口から感染し、放置すると大きくなります。進行するといぼ同士が融合して、大きな面になることもあります。表面の角質を削ると点状出血(赤色または紫色の点が現れること)が見られます。痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんど現れません。
老人性疣贅(脂漏性角化症) 顔や手の甲、体などに表れる数mm~3cmくらいのいぼです。加齢とともに現れるいぼですが、30代から出現する方もいます。皮膚表面にある「ケラチノサイト」という細胞が増殖することが原因で発生します。いぼの色は黒褐色または黒色です。
また、首筋やワキの下などに現れやすく、1~3mmほどの盛り上がりのある肌色~褐色のいぼは、軟性線維腫(小さいものはスキンタッグまたはアクロコルドンと呼ぶ)といいます。

いぼの原因

老人性いぼの原因は主に「紫外線と加齢」です(遺伝の影響もあると報告されています)。対して、ウイルス性いぼは「ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染」が原因で発症します。このように、いぼによっては原因がそれぞれ異なります。

魚の目はいぼと間違えられやすい

魚の目(鶏眼:けいがん)はいぼに間違えられやすい症状であり、タコにも間違えられやすいです。タコとの違いは、患部の中心にある芯があるかどうかと、痛みの有無です。魚の目はタコと違い、患部の中心に芯が見られ、痛みもあります。
魚の目はいぼの種類ではありませんが、よく勘違いされています。魚の目は男性よりも、足に負担がかかるハイヒールやパンプスをよく履く女性に多い傾向にあります。

治療方法

当院のいぼ治療は、おもに「切除法」と「YAGレーザーでの切除」の2種類があります。いぼ治療は液体窒素を用いる治療もありますが、頻繁に通院するデメリットがあります。また、小さいいぼを治療する場合、健康な皮膚にも広範囲に窒素が影響し、色素沈着を起こしてしまうこともあります。どの切除方法が適切なのかは医師が提案します。

切除法

局所麻酔をした後に、いぼとその周辺を切除して縫合する方法です。
非常に大きいいぼの場合、切除と縫合が必要になるケースが多いです。
切除法は「1回で除去が完了できる」メリットがありますが、白い線状の傷跡が残るデメリットもあります。

YAGレーザー

YAGレーザーでの除去は、膨らみのあるいぼに適しています。YAGレーザーはターゲット組織に対して、均一に蒸散させる働きがあるので、治療後の赤みも少なく済むうえに、傷の治りも早い傾向にあります。

費用について

※費用は税込表示になっています。

大きさ 費用
5mm未満 19,700円
5mm以上10mm未満 25,300円
10mm以上 29,700円

よくあるQ&A

どうしていぼになるのですか?

いぼの種類によりますが、扁平疣贅・尋常性疣贅の場合はヒトパピローマウイルスというウイルスの感染が原因で、老人性疣贅の場合は老化・紫外線などが原因だと言われています。とくに扁平疣贅・尋常性疣贅のような、ウイルス性いぼの場合は、ヒトからヒトへの接触感染と、プールや共用のスリッパ、足拭きマットなどによる間接的感染の2種類の感染経路があります。潜伏期間は1~6ヶ月と長期間なので、原因が特定されないことも多いです。
ヒトパピローマウイルスの感染症は扁平疣贅・尋常性疣贅だけではなく、青年扁平疣贅や尖形コンジローマ、ボーエン様丘疹症なども当てはまります。

いぼをすぐに治したいので手術を受けたいです。可能でしょうか?

可能です。患者様のいぼの状態やご希望に応じて、適切な手術方法や治療法などを選択します。

いぼの治療期間はどのくらいですか?

一概には言えませんが、多くのいぼは毎週通院することで、2、3ヶ月で改善されます。

いぼが原因でガンになることはありますか?

ウイルス性いぼの原因であるヒトパピローマウイルスの種類は、現在100種類以上確認されています。その中で、ガンの原因になり得る種類は若干数報告されておりますが、通常の種類でガンの原因になるものはほとんどありません。
しかし、ボーエン様丘疹症や尖形コンジローマの場合は、発ガン性の高いウイルスが感染している恐れもあります。きちんと受診し、適切な治療を受けることが重要です。

老人性疣贅からガン化することはありますか?

ご安心ください。老人性疣贅から皮膚ガンが発生するという研究結果は、いまだ報告されておりません。ただし、老人性疣贅の中には、老人性疣贅とよく似た皮膚ガンもあります。気になるいぼがありましたら、一度受診してください。

いぼの治療中・治療後に、日常生活で気をつけることはありますか?

いぼを爪で引っかいたり、いじって触ったりすることは控えてください。触れてしまうとウイルスを広げてしまい、他の場所にもいぼができてしまう恐れがあります。

いぼが家族に移らないか心配です。

ウイルス性いぼの場合、もちろん移るリスクはありますが、健康な皮膚・粘膜には感染しにくいです。「いぼを直接手で触らない」「手や足を拭くタオル・バスマットなどを、家族と共用しない」などの工夫をして、過ごすことをお勧めします。

粉瘤(アテローム)とは

粉瘤(アテノーム)とは

何らかの理由で剥がれ落ちなかった皮脂や垢が、袋状の構造物内に溜まることでできた腫瘍です。「アテローム」「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれています。
とくに背中や首、顔面に発生する傾向が強く、放置してしまうと徐々に大きくなります。

粉瘤(アテローム)の原因

ヒトパピローマ(乳頭腫)ウイルスの感染や、打撲・外傷などのケガ、ピアス跡、ニキビ跡、虫刺されなどが原因で、発症する事例が報告されています。しかし、多くの粉瘤の発生原因は、よく分かっておりません。
また、人によっては粉瘤が発生しやすい体質の方もいます。

治療方法

粉瘤の摘出方法は、腫瘍を十分に含めて切除して、その後縫合閉鎖する方法が一般的です。一本線の傷跡が出来ます。

STEP.1

摘出する粉瘤に、ペンで印をつけていきます。

STEP.2

局所麻酔を注射します。
特に炎症を伴っている炎症性粉瘤の場合は、摘出時に強い痛みが発生しやすいです。炎症性粉瘤の方には多めに麻酔をかけ、摘出時の痛みを軽減させていきます。

STEP.3

腫瘍を含めた紡錘形に皮膚切除を行います。この際アテロームが破裂しないように丁寧な剥離操作を行いますが、炎症が強い場合など術中に腫瘍が破裂する場合もあります。

STEP.4

丁寧に縫合します。
また、部位や炎症、大きさによっては、縫合を行わないこともあります。

STEP.5

術後の注意点をお伝えしたのちに、院内で抗生剤と鎮痛剤を処方します。

手術後の注意点

通院

術後の状態を確認するため、手術日の翌日にも来院していただきます。抜糸につきましては、手術から1週間経過した後に、当院で行います。

入浴

翌日以降はシャワーで身体を洗ってください。

運動

運動メニューや傷の部位などによっては、制限が異なります。術後に医師が説明します。

飲酒

お酒を飲むと血流が良くなりすぎてしまうので、血腫のリスクが上昇します。
手術日の当日と翌日は、飲酒を控えてください。

治療後の経過

赤み

キズに酸素と栄養を運ぶために、身体が新生血管(新しい血管)を作ろうと働くことで、赤みが現れやすくなります。赤みは術後1~3ヶ月ほどの期間を経過した後に、落ち着くことが多いです。

盛り上がり・硬さ

肉芽組織がキズを修復するために増殖する動きによって、肥厚性瘢痕・ケロイドが合併症として現れてくるケースがあります。傷跡は術後から3ヵ月経過すると少しずつ落ち着きはじめ、術後半年~1年になると平坦になります。

費用について

粉瘤(アテローム)・皮膚腫瘍の治療は健康保険適用となります。

よくあるQ&A

手術時に痛くなる時はありますか?

局所麻酔を打つ時に痛みはあるかもしれませんが、手術中の痛みはほとんど発生しません。

手術後は痛くなりますか?

当日~翌日まで痛みがありますが、特に小さい傷(1cm以下)の場合は、ほとんど痛みが起きない傾向にあります。術後には鎮痛剤を処方しますので、ご安心ください。

入浴しても大丈夫ですか?

縫合した場合は、翌日からシャワーで身体を洗うようお伝えします。創部(手術でできた傷)はシャワーで洗い流してから、当院が処方した消毒液で表面を拭き、清潔を保つようにしてください。消毒液で拭いた後は絆創膏でカバーして、創部を保護してください。炭酸ガスレーザーの治療を行った際は、手術日当日に入浴しても問題ありません。入浴後は処方した軟膏を塗ってください。

抜糸はいつ頃に行いますか?

顔面での粉瘤の場合は5~7日目に、手のひらと足の裏、関節近くの粉瘤は14日目に、それ以外の箇所の場合は7~10日目に抜糸します。

sera美容皮膚科・美容外科

〒722-1112 広島県世羅郡世羅町本郷1028番地

受付時間
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