リフトアップ治療の種類・DENSITYの位置づけ

年齢を重ねると、フェイスラインのゆるみやほうれい線、頬のたるみなどが目立つようになり、顔全体の印象に影響を与えることがあります。これらのたるみは加齢にともなう自然な変化ですが、美容医療ではそれを改善するためのリフトアップ治療が数多く提供されています。リフトアップ治療とは、皮膚や皮下組織を引き上げて、顔の輪郭を整えたりハリを取り戻したりするための施術です。若々しさを保ちたいと考える方にとって、有力な選択肢のひとつです。現在のリフトアップ治療は、大きく「外科的リフトアップ」「糸リフト(スレッドリフト)」「機器を用いた非侵襲的(切らない)リフトアップ」の3種類に分けられます。
分類 | 施術方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
外科的リフトアップ | 皮膚や筋膜を切開して、たるみを引き上げる | 効果が大きい 効果が長期間持続する | ダウンタイム・腫れ・感染などのリスクがある |
糸リフト(スレッドリフト) | 皮下に吸収糸を挿入して、たるみを引き上げる | 即効性がある 軽度~中等度のたるみに効果的 | 内出血や腫れが起こる可能性がある 効果の持続期間に個人差がある |
切らないリフトアップ | HIFU(超音波)やRF(高周波)などのエネルギーによって深層に熱を与え、たるみを引き上げる | ダウンタイムがほとんどない 自然な変化が期待できる | 効果は穏やか 継続的な施術が必要な場合がある |
このような中で、当クリニックが導入しているDENSITY(デンシティ)は、「機器による切らないリフトアップ」に分類されます。DENSITYはその中でも最新型の高周波(RF)治療機器です。
DENSITYについて

DENSITYは、メスを使わずに肌を引き締める最新のリフトアップ機器です。たるみやフェイスラインのゆるみが気になってきた方に向けて、痛みやダウンタイムを抑えながら、しっかりとリフトアップ効果を実感できるよう設計されています。DENSITYが採用しているのは「RF(高周波)」と呼ばれる熱エネルギーを使った技術で、6.78MHzという高い周波数の電流を肌の深い部分まで届けて、内側からじんわりと引き締めるのが特長です。とくに、年齢とともにゆるみがちな「SMAS層(筋膜)」までアプローチできるため、従来の機器よりも高い効果が期待できます。また、DENSITYは2種類の高周波(モノポーラとバイポーラ)を同時に照射できる構造になっており、これにより肌の表面と奥の両方に働きかけることができます。その結果、施術直後の引き締まりと、時間をかけて肌が引き上がっていくような自然なリフトアップ効果の両方を得ることが可能です。さらに、施術中には肌を保護するための冷却機能(ガス冷却)が自動で働くため、熱による刺激を抑え、安全性にも配慮されています。「手術には抵抗がある」「自然な仕上がりで若々しく見せたい」「忙しくて長いダウンタイムは避けたい」といったご希望をお持ちの方にとって、DENSITYは非常に適した選択肢といえます。施術時の刺激が少なく、肌への負担を抑えながら、段階的にリフトアップ効果を実感できる非侵襲的なたるみ治療として、多くの方に支持されています。
RF(高周波)
RF(高周波)は、20kHz〜300GHzの電磁波の一種で、美容医療では肌の引き締めやエイジングケアに活用されています。肌にRFエネルギーを照射すると、真皮や皮下組織をじんわりと加熱し、コラーゲン線維が収縮することでハリや小ジワの改善効果が期待できます。さらに、加熱された肌では自然な修復作用(創傷治癒反応)が働き、コラーゲンの再生成が促進されることで、数週間〜数ヵ月かけて肌の弾力や質感が向上します。当クリニックが導入しているDENSITYは、RF機器の中でも特に進化したリフトアップ機器です。6.78MHzという高い周波数を用いることで、表皮から筋膜層(SMAS)まで広く熱を届けることができ、たるみや弾力の低下に深くアプローチします。また、照射のたびに皮膚のインピーダンス(電気抵抗)をリアルタイムで測定し、その都度最適な出力で照射する設計により、安全性と効果の両立を実現しています。DENSITYはリフトアップ効果に加え、肌全体の質感改善(美肌効果)も期待できる次世代のRF治療です。
モノポーラ(効果が長く続く)
モノポーラとは、高周波(RF)エネルギーを皮膚の深部(真皮の深層から皮下組織)にまで届ける治療技術です。片方の電極を肌に当て、もう一方の対極板を体内に設置することで、体内を通して深く広い範囲に電流が流れる構造になっており、広範囲かつ深い層への加熱がしやすいのが特長です。この熱の作用により、肌内部ではコラーゲンやエラスチンの生成が活性化され、ハリや弾力、そして肌ツヤの改善が期待できます。とくに顎の下に照射することで、たるみや脂肪の引き締めに働きかけ、二重顎の改善にもつながるとされています。治療効果は施術後すぐにゆるやかに現れ始め、個人差はありますが、おおよそ4~6ヵ月ほど持続するといわれています。
バイポーラ(効果がすぐに現れる)
バイポーラは、高周波(RF)エネルギーを皮膚の浅い層(真皮乳頭層から真皮網状層)に集中的に届ける方式のひとつです。2つの電極間でエネルギーが流れる構造になっており、その仕組みにより熱の到達範囲が浅く限定されるため、肌表面に近い部分を効率よく加熱することが可能です。この加熱によって、真皮内のコラーゲン線維や結合組織が一時的に収縮し、肌のハリが増すことで小ジワの改善やリフトアップ効果が期待されます。特に、目元や口元などの皮膚が薄くデリケートな部位にも適しており、肌への負担を抑えながら効果を引き出しやすいのが特徴です。施術後には、肌の引き締まりや手触りの変化をすぐに実感できることが多く、初回から効果を感じやすい治療のひとつとされています。
ガス冷却機能
DENSITYには、5段階のレベル調整が可能な冷却機能(クーリングシステム)が搭載されており、施術中の肌を熱からしっかり守る構造になっています。冷却の強さは、肌質や施術部位の状態に応じて細かく設定できるため、一人ひとりの状態に合わせた快適な施術環境を整えることが可能です。この冷却機能によって、照射時の熱による刺激や痛みをやわらげることができ、より安心して施術を受けていただけます。また、DENSITYのハンドピースには温度センサーが内蔵されており、施術中の皮膚の温度をリアルタイムでモニタリングすることができます。照射ごとに皮膚温の変化を自動で検知できるため、その都度、出力や冷却レベルの微調整が可能となり、施術の安全性も高められています。加えて、照射回数を自動でカウントする機能も備えており、施術の進行状況を常に確認できるため、照射の過不足を防ぎ、安定した治療効果につなげることができます
こんな方におすすめ
- 年齢とともに頬やフェイスラインのたるみ・シワが気になってきた方
- 二重あごやフェイスラインのもたつきをすっきりさせたい方
- 顔全体をバランスよく引き締めたい方
- 肌質や細かいシワが気になる方
- 目元のたるみや細かいシワ(ちりめんジワ・笑いジワ)を改善したい方
- 開いた毛穴や肌のキメの乱れが気になる方
- 手術や糸リフトなどの侵襲的な治療には抵抗がある方
- ダウンタイムが少ないリフトアップ治療を探している方
- 肌を引き締めながら、自然な仕上がりを求めている方
- これまでのHIFUやRFで効果を実感しにくかった方
他のリフトアップ治療との違い
一般的なHIFU機器との違い

DENSITYと一般的なHIFU機器は、いずれも「切らないリフトアップ治療」として知られていますが、使用するエネルギーや施術の体感、安全性などに違いがあります。HIFU機器は、「高密度焦点式超音波」を使い、皮膚の奥深くにあるSMAS(表在性筋膜)に点で熱を集中させて引き締め効果を狙う治療機器です。HIFUを用いた治療は高いリフトアップ効果が期待できますが、照射時に鋭い刺激や痛みを感じやすく、赤みや熱傷のリスクがあることもあります。一方、DENSITYは「高周波(RF)」を用い、表皮からSMAS層までを面で均一に加熱する機器です。特に6.78MHzという高周波を採用しており、熱が分散しやすく、痛みや熱だまりが起こりにくいのが特長です。さらに、DENSITYにはガス冷却機能と温度センサーが搭載されており、皮膚表面を守りながら安全に深部を加熱することが可能です。これにより、刺激を抑えつつ快適に施術を受けることができます。HIFUは「しっかりとしたリフトアップ効果を求める方」に向いており、DENSITYは「自然な引き締めや肌質改善を望む方、痛みに弱い方」にも適した治療法です。
当院のウルトラセルQプラスとの違い
ウルトラセルQプラスは、HIFU(高密度焦点式超音波)を使って、皮膚の奥深くにあるSMAS層(表在性筋膜)までピンポイントに熱を加えることで、組織を引き締め、リフトアップを促す治療です。特に、以下のような特長があり、短時間でしっかり引き上げたい方に向いています。
- 1.5 / 3.0 / 4.5mmの3種類のカートリッジで層ごとにアプローチできること
- 従来機器より照射スピードが速く、施術時間が短い(約10~15分)
- HIFUの中でも痛みを感じにくい設計
ただし、超音波による点状の高熱刺激のため、部位によってはチクチクした痛みや熱感が出やすく、赤みや軽度の炎症が起こる可能性もあります。「しっかり引き上げたい」「フェイスラインをくっきりさせたい」という方にはウルトラセルQプラス、「自然な引き締めとハリ感を重視したい」「痛みや刺激が苦手」という方にはDENSITYがおすすめです。どちらの機器も当院でご体験いただけますので、ご不安な点やご希望があればお気軽にご相談ください。
治療の注意事項
副作用について
- 赤み・腫れ・かゆみ:照射した部位に一時的な赤みや腫れ、かゆみが現れることがありますが、多くの場合は48時間以内に自然におさまります。
- ヒリつき・ほてり感:まれに軽いヒリヒリ感やほてりを感じることがありますが、DENSITYの冷却機能により不快感は比較的抑えられます。
- 軽度のむくみ:施術直後に顔の一部にむくみが出ることがありますが、通常は2〜3日以内に落ち着きます。
ダウンタイムについて
DENSITYの施術にかかる時間はおよそ30〜40分です。当日から洗顔やメイクが可能で、通常の生活への支障はほとんどありません。ただし、治療後の肌を守るために、以下の点にご注意ください。
- 施術から5日程度は、サウナや激しい運動、熱いお風呂など、体温が大きく上がる行動は控えてください。
- 肌が一時的に敏感になることがあるため、刺激の少ないスキンケア製品の使用をおすすめします。
治療を受けられない方
- ペースメーカーや植え込み型除細動器を装着している方
- 照射部位に金属製の糸やプレートが入っている方(※銀歯・インプラントは施術可能です)
- ケロイド体質のある方
- 皮膚に感染症がある方
※体内に金属がある方は、施術の安全性を確認するために、事前に必ず医師へご相談ください。
治療の流れ
STEP.1事前カウンセリング
カウンセリングでは、医師が患者様のご希望や気になる部位・症状を丁寧にお伺いし、肌の状態を確認したうえで、DENSITYによる施術が適応かどうかを判断いたします。その際、治療内容や施術の流れ、施術後の注意点についても、わかりやすくご説明いたします。施術について不安な点や疑問がある場合は、どんなことでもお気軽にご相談ください。患者様にご納得いただいたうえで安心して治療を受けていただけるよう、丁寧な説明と対話を大切にしています。
STEP.2メイクオフ
施術前には、クレンジングと洗顔によってメイクや皮脂、汚れを丁寧に落とし、お肌を清潔な状態に整えます。ご来院時はすっぴんでなくても構いませんが、目元やフェイスラインなどの照射部位は完全にメイクオフしていただきます。
STEP.3施術
施術では、まず高周波の伝導効率を高めるために、照射する部位に専用ジェルを丁寧に塗布します。その後、DENSITYのハンドピースを使って、肌全体にバランスよく高周波(RF)を照射していきます。照射時には、患者様の肌の状態や施術部位に合わせて、出力や冷却レベルを適切に調整しながら、皮膚の浅い層から深い層まで均一に温めるように施術を行います。施術時間は、おおよそ30〜40分程度が目安となります。
STEP.4施術後
施術後は、まず肌に塗布したジェルをやさしく拭き取ります。顔への施術を受けた方には、洗顔をお願いしています。その後は、当日中に洗顔やメイクを再開していただくことが可能です。お出かけやご予定がある場合でも、そのまま安心してご帰宅いただけます。施術後に目立った赤みや腫れが生じることはほとんどなく、ダウンタイムはごくわずかです。必要に応じて、お肌の状態に合わせて、低刺激のスキンケアや保湿方法についてご説明いたします。